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 2020/09/09

新種の高麗芝 「ナルオターフ」について

1985年に鳥取県産の細葉高麗をグリーン全面に張り替えを行ったが、数年前に1番グリーンの一部に葉幅の細い、葉質の柔らかい、密度の高い不思議な芝が生育している芝が発見され、鳥取県芝生産組合で現地培養したところ、新種ではないかと判断された。

その後、宮崎大学明石良教授に調査分析を依頼し、DNA鑑定が行われ、新種であることが裏付けられた。現在「ナルオターフ」として商標登録中で、4番オリジナルグリーン、14番サブグリーンに張芝を実施し、一方、鳥取県芝生産組合では芝の培養を継続して行っており、今後が期待される。

100周年記念写真集コメント

宮崎大学副学長 明石良教授より

厳しい管理から誕生した、将来性豊かな固有種「鳴尾コウライ」

 (注:写真発行(2019年12月)時の呼称)

「鳴尾コウライ」は、鳴尾ゴルフ倶楽部における非常に厳しいグリーン管理下の中、その地域に適した系統が選抜され、鳴尾独自のコウライシバとなったと想定しています。

近年の環境変化は尋常ではなく、特に気温の上昇と雨量の多さには問題があります。このような状況下で寒地型の洋芝のグリーンを管理することは非常に厳しいものとなります。

私は、そのような状況の中から20年以上前から日本全国の野生の日本芝を収集し、特性等を調査して、新たな品種改良を進めて来ました。「鳴尾コウライ」は、鳥取のコウライシバの形態に似ていますが、管理特性は全く異なり、グリーンとして非常に高い特性を保持しています。

日本の環境の変化に適応し、管理者の技術が高ければ高速グリーンを作ることも可能な「鳴尾コウライ」は、鳴尾ゴルフ倶楽部100年の歴史が生んだ、大きな財産といえるでしょう。

週刊ゴルフダイジェスト

2020・8・25号より

開場しで100周年、関西きっての名コース、鳴尾GCに芝の新種発見という新たな歴史が加わった。

鳴尾GCのグリーンは日本特有の高麗芝でつとに有名だ。他のコースがベントグリーンへと切り替えるなか、川奈ホテルGCと同様、高麗芝の伝統を守り続けている。

同GCは数年前、在来種の中にちょっと違った芝を発見し、着目。鳥取県のナーセリーでこの芝の培養を始め、17年からパー3とパー5の2ホールのサブグリーンに移植し、テスト使用を始めるとともに、芝研究の第一人者である宮崎大学副学長、農学博士の明石良教授に共同研究の形で分析を依頼した。「在来種の高麗芝の自殖種子から発芽した後代の中で、鳴尾の環境で選抜された系統で、自然偶発的に生まれたものである」(宮崎大学、明石良教授)

同GCグリーンキーパーの上村眞知氏は「この新種を『ナルオターフ』と名付けて商標登録を予定しています。従来の高麗芝に比べて、芝の葉が細く柔らかくて横に伸びる性質があるので、スピードが出やすく転がりもスムーズです。培養にはもう少し時間がかかりますが、ほかのホールにも広げたいと思っています」と話す。

所属の水巻善典プロの評価は「転がりが一定でパッティング技術が正確に反映されますね」とのこと。

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